トロンフォーラム

トロンフォーラムメールマガジン |  2022年もTRONプロジェクトをよろしくお願い申し上げます

トロンフォーラムメールマガジン |  2022年もTRONプロジェクトをよろしくお願い申し上げます

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

トロンフォーラムが毎月お送りするメールマガジンの2022年1月号をお送りします。

2021年末に開催したTRONシンポジウムは、今回もネットとリアルのハイブリッド方式で無事に開催する事ができました。シンポジウムのテーマは「Rebooting」、「再起動」。

コロナ禍で委縮してしまった社会全体をデジタルの力で「Rebooting」させ、これまでとは異なる新しい常識、常態 ─ ニューノーマルを確立するにはどうするか。TRONプロジェクトで各プロジェクトが取り組んでいる活動は、このRebootingを促すための要素技術です。

TRONプロジェクトでは、コンピュータが組み込まれたモノ同士が互いに連携して、便利で快適な社会を実現することをHFDS(超機能分散システム) ─ 最近ではモノだけでなくサービスの連携も含めてAggregate Computingモデルと呼び、その実現を目指してきました。

今回のTRONSHOWでは、その要素技術であるIoT-Engineの最新版や、その上で動作する組込みRTOS「μT-Kernel 3.0」のBSP(ボード・サポート・パッケージ)をはじめ、最新の成果、またサービス連携を実現する取り組みとして、私が機構長を務めるINIAD cHUB(東洋大学情報連携学 学術実業連携機構)とUR都市機構(独立行政法人都市再生機構)による研究会「Open Smart UR研究会」の活動についてご紹介いたしました。 

また、私が会長を務めている「公共交通オープンデータ協議会(ODPT)」の活動成果として、TRONSHOWの最終日に「第4回東京公共交通オープンデータチャレンジ」の表彰式を実施しました。今回のチャレンジでは提供データの商用サービスでの利用も可能としたことから、Google マップをはじめ、民間事業者もご参加いただきました。この他TRONSHOWでは、IoT関連のセキュリティ脆弱性情報をご紹介するTIVACという活動や、社会人の再教育(リカレント教育)としてINIADが中心となって行っている「Open IoT教育プログラム」等もご紹介しました。

トロン協会の活動を引き継ぐ形で2002年に「T-Engineフォーラム」として設立したトロンフォーラムは、今年でいよいよ20周年を迎えます。TRONSHOWのセッションでもご紹介したように、TRONのOSは人工衛星やロケットの制御にも使われている他、各種制御機器や通信端末、プリンタ、デジタルカメラ等、みなさんの身の回りの多くの製品に採用されて、それらの機器を止めることなく、あるいは止めないといけないときには確実に止めて、社会基盤を支えています。

残念なことに、まだまだ新型コロナウイルスの影響は大きく、日々、注意をしながら生活を行う必要があります。一方、デジタルの力で徐々に社会活動がRebootingしつつあることも、確かです。そのRebootingのベースに、TRONプロジェクトの活動成果が役立てられていることは、プロジェクトに関与するすべての方の努力によるものとして大変感謝しております。

今年もTRONプロジェクトをどうぞよろしくお願い申し上げます。

坂村 健 

「2021 TRON Symposium-TRONSHOW- Rebooting」多数のご来場及びご聴講、誠にありがとうございました

2021年12月8日から10日までの3日間、東京・六本木の東京ミッドタウンで「2021 TRON Symposium – TRONSHOW –」 を、米国IEEE Consumer Technology Societyとの技術協賛のもと、「Rebooting」をテーマとして開催しました。

今回も東京ミッドタウンでのリアル会場とオンラインによるバーチャル会場とを融合させたDX(デジタルトランスフォーメーション)の実践の場としてハイブリッド開催として実施しました。

初日に行われたTRONプロジェクトリーダー坂村健(トロンフォーラム会長/INIAD(東洋大学情報連携学部)学部長による基調講演「Rebooting ─ 2021年のTRONプロジェクトと今後の展望 ─」をはじめ、3日間にわたって多くのセッションが開催されました。リアル会場での開催終了後も、来場者登録をされた方が閲覧できるように、ビデオでオンライン公開されました。

また、リアル会場では出展各社によるIoT-Engine、T-Kernel、ITRONといった組込みOSやその応用事例、uID関連やオープンデータ関連の製品やサービスの展示が行われました。

TRONSHOW最終日には、鉄道、バス、航空、フェリーといった交通事業者やICT事業者で構成される公共交通オープンデータ協議会が実施してきたコンテスト「第4回東京公共交通オープンデータチャレンジ」の表彰式がTRONSHOWの会場内で行われました。入賞者をお招きして、アプリ開発の動機をお話しいただき、表彰を行いました。

2021 TRON Symposium – TRONSHOW –
https://www.tronshow.org/

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TRONイネーブルウェアシンポジウムTEPS 34thを開催

トロンフォーラムとTRONイネーブルウェア研究会は、2021年12月4日(土)にINIADホール(東洋大学 赤羽台キャンパス)でのリアルとオンラインのハイブリッド方式で、TRONイネーブルウェアシンポジウム「TEPS 34th」を開催しました。今回のテーマは、「デジタル技術を活用した聴覚障碍者への情報保障とその課題」でした。

情報保障とは、身体的なハンディキャップによって情報が得られない人に対して、代替手段を使って情報を伝えることです。耳が聞こえない人への情報保障には手話通訳や要約筆記の手段があります。デジタル技術の普及によって手軽に情報保障が可能になりましたが、法律の制限によって、提供可能な情報保障が実施できない事例もあります。

TEPS34thでは、坂村会長による基調講演「デジタル技術を活用した聴覚障碍者への情報保障とその課題」に続き、NHK放送技術研究所の佐野雅規・上級研究員とNPO法人日本聴覚障害者コンピュータ協会の長谷川洋顧問による講演、さらに3名によるパネルセッションが行われました。

また、リアル会場では株式会社 的による視覚障害者向け支援装置の展示及び体験会が行われました。

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2月21日-22日「【実習】ITRON初級」開催

トロンフォーラムでは2022年2月21日(月)-22日(火)にINIAD(東洋大学情報連携学部)のある東洋大学赤羽台キャンパスで開催する予定の「【実習】ITRON初級」の受講申込を受付中です。

受講申込は有償会員の方を優先とし、定員枠に満たない場合のみ、学術会員及び会員以外の方の受講を受け付けます。皆様のご参加をお待ち申し上げます。

2月21日(月)-22日(火) 【実習】ITRON初級
https://www.tron.org/ja/seminar/schedule2021/

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2月24日-25日「【実習】μT-Kernel入門(協力:ルネサス エレクトロニクス)」開催

トロンフォーラムでは2022年2月24日(木)-25日(金)にINIAD(東洋大学情報連携学部)のある東洋大学赤羽台キャンパスで開催する予定の「【実習】μT-Kernel入門(協力:ルネサス エレクトロニクス)」の受講申込を受付中です。

受講申込は有償会員の方を優先とし、定員枠に満たない場合のみ、学術会員及び会員以外の方の受講を受け付けます。皆様のご参加をお待ち申し上げます。

2月24日(木)-25日(金) 【実習】μT-Kernel入門(協力:ルネサス エレクトロニクス)
https://www.tron.org/ja/seminar/schedule2021/

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パーソナルメディアがμT-Kernel 3.0とIEEE 2050-2018の両方の仕様に準拠した「PMC T-Kernel 3.0」を新発売

トロンフォーラム幹事会員のパーソナルメディアは、2021年12月7日、「μT-Kernel 3.0」と「IEEE 2050-2018」の2つの仕様に準拠したマルチコア対応リアルタイムOS「PMC T-Kernel 3.0」の開発に成功したことを発表しました。

パーソナルメディアでは、2022年1月5日から機器メーカー向けの受注を開始します。また、開発評価用として市販の評価ボード上で動作する「PMC T-Kernel 3.0評価キット」を2022年3月1日から発売を開始します。

本製品の詳細につきましては、以下をご参照ください。

パーソナルメディア
http://www.t-engine4u.com/press/pmctk3.html

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1月13日及び14日にパーソナルメディアがT-Kernelセミナーを開催

トロンフォーラム幹事会員のパーソナルメディアでは、T-Kernelを使った開発について、より詳しく学びたい方を対象に、有料の実習セミナーを実施しています。

2022年1月13日(木)に実施する「T-Kernel導入実習セミナー」では、T-Kernelの基礎から、ソフトウェア部品の組合せ、メモリモデル、デバッグ手法などを説明したうえで、プロセスベースおよびT-Kernelベースのソフト開発からデバッグまでの流れをご体験いただきます。

また1月14日(金)に実施する「T-Kernelドライバ開発実習セミナー」では、T-Kernelのデバイスドライバの開発を担当されるT-Kernel経験者を対象に、ドライバの内部構造およびインタフェースなどを説明します。また実習を通じて、ドライバの開発の流れを一通りご体験いただきます。各セミナーの詳細につきましては、以下の公式webサイトをご参照ください。

パーソナルメディア セミナー紹介ページ
http://www.t-engine4u.com/seminar/index.html

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「第4回東京公共交通オープンデータチャレンジ」受賞作品決定

公共交通オープンデータ協議会(会長:坂村 健 INIAD東洋大学情報連携学部 学部長)では、「第4回東京公共交通オープンデータチャレンジ」の表彰式を、12月10日(金)に2021 TRON Symposium-TRONSHOW-の会場内で行いました。表彰式には宮坂学東京都副知事をお迎えして、入賞者による作品紹介や説明動画を用いたプレゼンテーションが行われました。

入賞作品の紹介や各審査員による講評等は、以下で御覧いただけます。入賞したアプリやwebサービスは、データが提供される2022年1月末まで実データで動作いたします。是非お試しください。

第4回東京公共交通オープンデータチャレンジ 結果発表
https://tokyochallenge.odpt.org/2021/award/index.html

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トロンフォーラム設立20周年 T-Kernel/ITRONの採用事例募集中

トロンフォーラムは、旧称のT-Engineフォーラムとして2002年に設立され、活動を続けてまいりました。いよいよ2022年6月で設立20周年を迎えます。

この間、2010年にITRON仕様やBTRON仕様などの仕様策定を行ってきたトロン協会の事業や各種WG活動を継承し、2015年4月にトロンフォーラムと名称を変更して現在に至ります。多くの企業や技術者の方々のご支援をいただき、ITU-TでのユビキタスIDアーキテクチャをベースにしたITU-T勧告「H.642」が成立したり、μT-Kernel 2.0がベースのIEEE 2050-2018がIEEE標準として成立したりするなど、トロンフォーラムの標準化活動の成果は国際的にも高く評価をいただいています。

また、トロンフォーラムではさまざまなワーキンググループによる標準化活動の成果として、T-Engineボードやその上で動作するT-Kernel、μT-Kernelといった組込み用リアルタイムOSの仕様策定と仕様書の作成、及びその仕様に基づいたリファレンスソースコードの一般公開を行ってきました。これらはいずれも無償で行われています。さらに近年では、トロンフォーラムのwebサイトだけでなく、GitHubといったオープンソースソフトウェアの公開を行うリポジトリでのμT-Kernelの最新版「μT-Kernel 3.0」のバージョンアップ版のリリースを継続して実施しています。

こうした活動の成果は多くの分野で製品に採用されています。そこでトロンフォーラムでは、T-KernelやITRONの採用事例を募集中です。T-KernelやITRONを採用された事例をご紹介いただける場合は、入力フォームにご記入ください。T-KernelやITRONは、航空宇宙分野から産業機器、カーナビ、多機能プリンタ、電子楽器、デジタルカメラなど、さまざまな分野で多くの採用事例があります。

お送りいただいた採用事例は、トロンフォーラムのwebサイトやメールマガジンでご紹介させていただいたり、坂村会長の講演やTRONプロジェクトの技術情報誌「TRONWARE」などでご紹介させていただいたり、トロンフォーラムが主催または共催、協賛するイベント等でご紹介させていただく予定です。

是非、この機会に採用事例をご紹介ください。詳しくは以下のページにある入力フォームをご参照ください。
https://www.tron.org/ja/tron-project/provide-the-use-case/

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