トロンフォーラム

トロンフォーラムメールマガジン | 2023年もTRONプロジェクトをよろしくお願い申し上げます

トロンフォーラムメールマガジン |  2023年もTRONプロジェクトをよろしくお願い申し上げます

トロンフォーラムが毎月お送りするメールマガジンの2023年1月号をお送りします。

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

2022年12月7日(水)から9日(金)までの3日間、TRONプロジェクトの1年の活動成果を広くご紹介する2022 TRON Symposium – TRONSHOW -を開催することができました。前回に続いて今回のTRONSHOWも、ネットとリアルのハイブリッド方式で開催しました。今回のTRONSHOWのキャッチフレーズは「ネクスト・インフラ」。英語では「Next Generation Infrastructure」としました。前回のTRONSHOWのキャッチフレーズは「Rebooting」でしたが、再起動した次のステップの情報通信技術のインフラとは何かということがテーマです。

その次のステップとしてTRONプロジェクトとして重要視しているのが「通信経路のオール光化」という基礎技術レベルからの革新です。「通信経路のオール光化」のために進められているIOWNプロジェクトでは、次世代のオール光ネットワークは現在のネットワークに比べて伝送量125倍、消費電力1/100、遅延1/200と大きな飛躍になると考えられています。TRONSHOWでは基調講演をはじめ、特別セッションや技術セッションを通じて、このIOWNについて詳しくご紹介しました。

オール光ネットワークの超低遅延性により、例えば遠隔医療では100km以上離れた場所でも、まるで隣の部屋で行っているかのような手術を行うことができるようになります。多地点の遠隔会場を結んだeスポーツなどでも、競技者がサーバからの距離によるハンデを感じさせない、均等なレスポンスで対戦することができます。このようにオール光ネットワークによる次のインフラは、TRONが重視するリアルタイム分野でも、アーキテクチャレベルの革新につながると考えられています。そのためトロンフォーラムでは、このIOWNと積極的に関与する新たな部会を設置するなどして、IOWNを推進するIOWN Global Forumとの連携を進めていきます。

また、2022年はAIが世界を大きく変える未来が現実的になりつつあることを踏まえ、IoT未来住宅プロジェクト「Open Smart UR」では、人が住める実験住宅「生活モニタリング住戸」を完成させ、39㎡に100個のセンサーで将来に向けたAIのためのデータ収集も行う予定です。TRONSHOWでは基調講演をはじめ主催者展示、2日目のシアターセッションでも、その紹介をしました。

また、私が会長を務めている「公共交通オープンデータ協議会(ODPT)」ではTRONSHOW最終日に、カナダとフランスに拠点を置く国際的なNPO のMobility Dataとの戦略的パートナーシップのMOUを締結しました。Mobility DataはGTFSやGBFSなど、公共交通データの標準化を進める団体です。ODPTが運営する公共交通オープンデータセンターでも、すでに多数のGTFS形式のデータの公開を通じてGoogle マップをはじめとした地図や移動支援のアプリなどで利活用いただいています。ODPTでは今回のMOUの締結によって、公共交通オープンデータの普及や標準化に対して、より一層のコミットをしていきたいと考えています。

さらに今回のTRONSHOWでは、「大和ハウス工業 スマートロジスティクスオープンデータチャレンジ」の開始を宣言しました。日立物流の協力で、トラック運転手の方のバイタルデータやドライブレコーダのデータをオープンデータ化し、その有効利用を競う賞金総額500万円のコンテストです。是非チャレンジをお考えください。

TRONプロジェクトは1984年にスタートし、来年で40周年を迎えるプロジェクトですが、私にとっても嬉しいニュースがありました。IEEE(電気電子工学協会)から2023年のIEEE Masaru Ibuka Consumer Technology Awardが授与されること。この賞は、消費者向け電化製品に使われる組込みコンピュータ用のオープンでフリーなOSの開発に対するリーダーシップを評価して授与されるとのこと。まさにTRONプロジェクトの活動に対する評価であり、これまで支援をいただいたメンバーや関係者の皆様と共に受賞したと考えています。この場を借りて、皆様に感謝申し上げます。

新しいプラットフォームの上で、築かれる新しい世界が良きものになるように、これからもプロジェクトを進めていきたいと考えています。今年もTRONプロジェクトをどうぞよろしくお願い申し上げます。

坂村 健

「2022 TRON Symposium-TRONSHOW-ネクスト・インフラ」 多数のご来場及びご聴講、誠にありがとうございました

2022年12月7日(水)から9日(金)までの3日間、東京・六本木の東京ミッドタウンで「2022 TRON Symposium-TRONSHOW-」を、米国IEEE Consumer Technology Societyとの技術協賛のもと、「ネクスト・インフラ」をテーマとして開催しました。

今回も東京ミッドタウンでのリアル会場とオンラインによるバーチャル会場とを融合させたハイブリッド開催として実施しました。

初日に行われたTRONプロジェクトリーダー坂村健(トロンフォーラム会長/INIAD(東洋大学情報連携学部)学部長による基調講演「ネクスト・インフラ – 2022年のTRONプロジェクトと今後の展望-」をはじめ、3日間にわたって多くのセッションが開催されました。

また、リアル会場では出展各社によるIoT-Engine、T-Kernel、ITRONといった組込みOSやその応用事例、今回のテーマである「ネクスト・インフラ」を実現するためのAPN技術「IOWN」関連の展示とセッション、uID関連やオープンデータ関連の製品やサービスの展示、さらにオープンデータを用いたコンテスト「大和ハウス工業 スマートロジスティクス オープンデータチャレンジ」のセッションが行われました。

2022 TRON Symposium -TRONSHOW-
https://www.tronshow.org/

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TRONイネーブルウェアシンポジウムTEPS35thを開催

トロンフォーラムとTRONイネーブルウェア研究会(会長:坂村健)は、2022年11月26日(土)にINIAD HUB-1のINAIDホールで、TRONイネーブルウェアシンポジウムTEPS35thを開催しました。今回のTEPSのテーマは「ロボット技術×次世代光ネットワークで障碍者を支援する」でした。

坂村会長による基調講演「ロボット技術×次世代光ネットワークで障碍者を支援する」に続いて、国土交通省の松田和香氏、NTT人間情報研究所の青野裕司氏、NTT総務部門ダイバーシティ推進室の池田円氏の各氏による講演が行われました。

休憩をはさんで行われたパネルセッションでは、坂村会長をモデレータとして、国土交通省が進める「歩行空間ネットワークデータ」を活用したロボット走行技術や、APNによる大容量・低遅延の次世代光ネットワーク技術「IOWN」を利活用したテレワークなどでの障碍者支援について議論しました。

なお、リアル会場では、当日午前中に国土交通省の「バリアフリー・ナビプロジェクト」の一環で行われた、歩行空間ネットワークデータを用いた自動走行ロボットの走行実証で用いられた、ロボットの動態展示が行われました。

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1月27日開催【実習】μT-Kernel 3.0 組込みプログラミング入門 福岡(RXマイコン編)受講申込受付中

トロンフォーラムでは1月27日(金)に、博多駅近郊で開催予定の「【実習】μT-Kernel 3.0組込みプログラミング入門 福岡(RXマイコン編)」の受講申込を受付中です。

本セミナーでは、リアルタイムOSとマイコンボードを使用し、組込みプログラミングの基本を学びます。IoTエッジノードなどのプログラミングの基本となる、マルチタスクからセンサー制御までをハンズオンで学習します。

組込みシステムやリアルタイムOSのプログラミングに興味をお持ちの方や、組込みシステムの開発に携わっている方、または今後携わりたいと考えている方は、是非、受講をご検討ください。

トロンフォーラム会員の方の参加費用は、お1人につき20,000円(税込)です。また、非会員の方の参加費用はお1人につき30,000円(税込)で、いずれもお持ち帰りいただける実習教材費が含まれます。

本セミナーの詳細につきましては、以下のページをご参照ください。

【実習】μT-Kernel 3.0 組込みプログラミング入門 福岡(RXマイコン編)
https://www.tron.org/ja/2022/12/seminar20230127/

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1月19日及び20日にパーソナルメディアがT-Kernelセミナーを開催

トロンフォーラム幹事会員のパーソナルメディアでは、T-Kernelを使った開発について、より詳しく学びたい方を対象に、有料の実習セミナーを実施しています。

1月19日(木)に実施する「T-Kernel導入実習セミナー」では、T-Kernelの基礎から、ソフトウェア部品の組合せ、メモリモデル、デバッグ手法などを説明したうえで、プロセスベースおよびT-Kernelベースのソフト開発からデバッグまでの流れをご体験いただきます。

また1月20日(金)に実施する「T-Kernelドライバ開発実習セミナー」では、T-Kernelのデバイスドライバの開発を担当されるT-Kernel経験者を対象に、ドライバの内部構造およびインタフェースなどを説明します。また実習を通じて、ドライバの開発の流れを一通りご体験いただきます。各セミナーの詳細につきましては、以下の公式webサイトをご参照ください。

パーソナルメディア セミナー紹介ページ
http://www.t-engine4u.com/seminar/index.html

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パーソナルメディアがmicro:bitを使ったµT-Kernel 3.0の学習キットを新発売

トロンフォーラム幹事会員のパーソナルメディアが、ポケットサイズの小型教育用ボードコンピュータ「micro:bit」を使ったμT-Kernel 3.0の学習キットを新発売することを発表しました。

本製品にはμT-Kernel 3.0及びmicro:bitの上で動作する実習用の例題プログラム、タスクトレーサ等が含まれます。例題プログラムを実際に動かしながら、IoTエッジノードの開発に重要となるリアルタイムOSやハードウェア操作の基礎技術を学ぶことができるとのことです。

本製品の詳細につきましては以下をご参照ください。
http://www.t-engine4u.com/

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T-Kernel/ITRONの採用事例募集中

トロンフォーラムでは、T-KernelやITRONの採用事例を募集中です。T-KernelやITRONを採用された事例をご紹介いただける場合は、入力フォームにご記入ください。T-KernelやITRONは、航空宇宙分野から産業機器、カーナビ、多機能プリンタ、電子楽器、デジタルカメラなど、さまざまな分野で多くの採用事例があります。

お送りいただいた採用事例は、トロンフォーラムのwebサイトやメールマガジンでご紹介させていただいたり、坂村会長の講演やTRONプロジェクトの技術情報誌「TRONWARE」などでご紹介させていただいたり、トロンフォーラムが主催または共催、協賛するイベント等でご紹介させていただく予定です。

是非、この機会に採用事例をご紹介ください。詳しくは以下のページにある入力フォームをご参照ください。
https://www.tron.org/ja/tron-project/provide-the-use-case/

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