坂村会長が編集長を務めるTRON & オープン技術情報マガジンのTRONWAREは、最新号となるVOL.203を10月16日(月)に発売いたします。
本号の特集は「生成AIが革新する組込みシステム開発の未来」です。坂村会長は2023年7月28日にコングレコンベンションセンター(大阪市)で開催された、EdgeTech+ West 2023(主催:一般社団法人 組込みシステム技術協会)において基調講演を行いました。特集記事では、生成AIの成り立ちや、生成AIの元になっている「大規模言語モデル(LLM)」、さらにこのLLMのマルチモーダル化について詳しくご紹介しています。
坂村会長はこの講演で、学部長を務めるINIAD(東洋大学情報連携学部)において、組込み開発への生成AIの導入に積極的に取り組んでおり、直接の開発作業だけでなく、技術文書やマニュアルの作成といった付随業務の効率化にも役立てていること等を報告しました。Open AIの最先端モデルである有料のGPT-4を、学生が公平に利用できるように学部で費用を負担する代わりに、わからないことはまずAIに質問をすることで、授業の効率を向上させていることを述べています。特集記事では、AIに質問する際のプロンプトの事例も紹介していますので、これから生成AIの利活用を検討されている方は是非ご一読ください。
このほか本号では、TRONプロジェクト関連の2つの団体が開催した総会の様子をご紹介しています。一つ目はTRONプロジェクトの中核的活動を行っているトロンフォーラムの総会です。トロンフォーラムはTRONプロジェクトのうち組込みシステムで利用するOSの普及推進活動を行っています。総会では、トロンフォーラムの活動状況に加えて、TRONプロジェクトが推進している組込み分野以外の活動である、公共交通分野のデータ流通プラットフォーム構築に取り組む公共交通オープンデータ協議会(ODPT)や、地方自治体のDXを支援するための一般社団法人デジタル地方創生推進機構(VLED)、各種事業者が提供する都市サービス間で、安全かつオープンにサービス利用者のパーソナルデータを連携させるPDS(Personal Data Store)の構築に取り組む一般社団法人IoTサービス連携協議会(AIoTS)、このAIoTSのPDSを利用することで赤羽地区での住民連携プロジェクトに取り組んでいるUR都市機構とINIAD cHUBの共同研究会「Open Smart UR」、さらにINIADが実施している社会人向けリカレント教育「Open IoT 教育プログラム」や、「Open Smart Cityに向けたDX人材育成プログラム」の活動状況を紹介しました。
2つ目にご紹介する総会は、公共交通オープンデータ協議会(ODPT)の総会です。ODPTは公共交通事業者とICT関連事業者など、2023年9月末時点で118団体を数える団体です。総会では2022年度の活動内容をご紹介したほか、2023年度の事業計画についてもご紹介しています。これから公共交通オープンデータ協議会への加入を検討されている方々や、リアルタイムで総会の様子を聴講できなかった会員の方にも貴重な資料となっています。
好評連載中の「micro:bitでμT-Kernel 3.0を動かそう」はドレミファ音階の再生方法を具体的なコードも含めてご紹介しています。誌上セミナー「μT-Kernel 3.0でIoTエッジノードを作ろう」は最終回「IoTネットワークへの接続」を取り上げました。IoT機器の脆弱性情報を紹介する「TIVAC Information」は、ルーターの脆弱性の話題とソフトウェアプログラミング作法の話題を紹介しています。
TRONWARE VOL.203の詳細は以下をご参照ください。
https://www.personal-media.co.jp/book/tw/tw_index/380.html