トロンフォーラム

トロンフォーラムメールマガジン | 2020年もTRONプロジェクトをよろしくお願い申し上げます

トロンフォーラムメールマガジン | 2020年もTRONプロジェクトをよろしくお願い申し上げます

トロンフォーラムが毎月お送りするメールマガジンの2020年1月号をお送りします。

TRONプロジェクトを開始した1984年から35周年にあたる昨年のTRONSHOW2019も、皆様のおかげで盛大に開催されました。ご協力、ご参加いただいた皆様に感謝いたします。このTRONSHOW2019のテーマは「Super & Safe City」としました。

2020年は東京で国際的なイベントが多数実施されます。世界中の注目が、この東京という街に集まります。オープンデータやIoTなど、近年TRONプロジェクトで力を注いできたテーマの研究成果を遺憾なく発揮して、2020年の東京を盛り上げていきたいと思います。

このうち「オープンデータ」に関しては、内閣官房IT総合戦略室、国土交通省、東京都を共催に加え、「第4回東京公共交通オープンデータチャレンジ」を実施しています。国際的なイベントが多数行われる首都圏を移動する旅行者の個々のニーズに対応できる各種アプリケーションの開発を、公共交通オープンデータ協議会に参加する各交通機関の方々からお預かりしたデータを提供することを通じて、積極的に推進しているところです。第4回チャレンジの賞金総額は300万円。作品の応募締切は2020年10月15日までですが、締切よりも前に多くの作品が一般公開されて、東京をはじめ首都圏を移動する旅行者の方々の支援に役立つことを期待しています。

またIoTに関しては、IoTエッジノード端末向けOSのIEEE標準「IEEE 2050-2018」になったμT-Kernel 2.0の後継として、μT-Kernel 3.0の仕様書及びリファレンスソースコードの一般公開をTRONSHOW2019の初日に行いました。このμT-Kernel 3.0の一般公開にあたり、TRONプロジェクトとしては初めて、「GitHub」での公開も行いました。多くのプログラマが日常的に利用しているGitHubで公開することで、「T3世代」のTRON OSの開発を担当しているトロンフォーラムのT3WGだけでなく、世界中の有志によってμT-Kernel 3.0が発展していくことにも期待しています。

さらにTRONSHOW2019では、トロンフォーラム傘下の団体として新たに「TRON IoT脆弱性センター」を開設したことを発表しました。研究段階から実用段階になったIoTの脆弱性は、エッジノード端末からクラウドでのデータ処理に至るまで、人々の生活や企業活動の様々な場面に影響を及ぼすことになります。この問題に適切に対応していくことは、組込み分野でトップシェアを維持し続けているTRONプロジェクトの推進団体であるトロンフォーラムにとって、重要な責務の一つであると言えます。

TRONSHOW2019でご紹介したさまざまな課題に対して、TRONプロジェクトにご協力いただいている多くの方々との連携を通じて、具体的な解決策をご提示してまいりたいと思います。2020年もTRONプロジェクトをどうぞよろしくお願い申し上げます。

坂村 健

「2019 TRON Symposium-TRONSHOW-」に多数ご来場ありがとうございました

2019年12月11日(水)-13日(金)に、TRONプロジェクトシンポジウム 2019 TRON Symposium(TRONSHOW)が、東京ミッドタウンホール(東京・六本木)で盛大に開催されました。今回のテーマは「Super & Safe City」。TRONプロジェクトが取り組んできたAggregate Computing、Open IoT、IoS(Internet of Services)、公共オープンデータ、公共交通オープンデータ、自律移動支援プロジェクト、イネーブルウェア、スマートハウス・スマートビル、おもてなしクラウド、トレーサビリティなどを集大成したものです。多数のセッションも行われ、参加された多くの方がTRONプロジェクトの歩んできた内容と、今後の方向性を知ることができた3日間となりました。

また、TRONSHOW2019の開催に先立って12月7日(土)に東洋大学赤羽台キャンパス INIADホールでTRONイネーブルウェアシンポジウム TEPS 32ndが、「IoT+AI時代の災害医療」をテーマに開催されました。坂村会長による基調講演に続き、2011年の東日本大震災など国内外の多くの災害医療に携わってきた森村尚登東京大学大学院医学系研究科教授の講演と、その後のパネルセッションを通じて、災害医療におけるIoTやAI技術の役割、活かし方に関する議論を深めることができました。

TRONSHOW公式webサイト
https://www.tronshow.org/

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トロンフォーラムがμT-Kernel 3.0の仕様書とソースコードを一般公開

トロンフォーラムでは、IEEE(米国電気電子学会)の定めるIoTエッジノード向け世界標準OSの仕様「IEEE 2050-2018」に対して、完全上位互換になる、μT-Kernel 3.0の仕様を策定し、仕様書とソースコードをGitHubとトロンフォーラムのWebサイトから2019年12月11日(水)に一般公開しました。

「IEEE 2050-2018」は、以下の要件を満たすべく、TRONプロジェクトのメンバーがIEEEに協力して策定した日本発の世界標準仕様です。

  • 多くのIoTデバイスを構成する小規模組込みシステム
  • 実装の最適化やカスタマイズが容易
  • 移植性や流通性の高いミドルウェアとデバイスドライバ
  • 16ビットを含むシングルチップマイコン、MMU無し、小容量のROM/RAMでの動作

これに対して、μT-Kernel 3.0は、以下の特徴を持っています。

  • IEEE 2050-2018規格に準拠し、かつ、μT-Kernel 2.0と高い互換性を維持しています。
  • ソースコードの全面見直しにより、最新のマイコンへの移植性が高まりました。
  • 特定の開発ツールに依存せず、様々な開発環境で使用できます。

μT-Kernel 3.0のソースコードはT-Licenseに基づきオープンソースとして公開しました。2019年12月11日に公開したソースコードでは、対象のハードウェアをARM Cortex-M3マイコン搭載のIoT-Engineとしています。

仕様書については、トロンフォーラムの仕様書の公開ページで、また、ソースコードについてはトロンフォーラムのソースコードダウンロードページに加えて、GitHubでも公開しました。それぞれ以下のページをご参照のうえご利用ください。

トロンフォーラム 公開仕様書ダウンロードページ
https://www.tron.org/ja/specifications/

トロンフォーラム ソースコードダウンロードページ
https://www.tron.org/download/?language=jp

GitHub(TRON Forum)
https://github.com/tron-forum

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「第4回東京公共交通オープンデータチャレンジ」開催中

公共交通オープンデータ協議会(会長 : 坂村 健 INIAD 東洋大学情報連携学部 学部長)では、2019年11月18日から2020年10月15日まで「第4回東京公共交通オープンデータチャレンジ」の作品を受付中です。第4回チャレンジは賞金総額が300万円となり、これまでのチャレンジの賞金に比べて増額されただけでなく、規約に従ってご利用いただくことで、営利目的利用でのデータ利用も可能となりました。

公共交通オープンデータ協議会は、世界一複雑とも言われる「東京」の公共交通を、訪日外国人の方、障碍を持つ方、高齢者の方を含む、誰もがスムーズに乗りこなせるようにすることを目指し、公共交通データのオープン化を進めてきました。

2020年の東京では、東京マラソンの開催、東京国際クルーズターミナルのオープン、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催など、国際的に注目を集めるイベントが多数予定されています。第4回の東京公共交通オープンデータチャレンジでは、多様な来訪者が訪れる2020年の東京におけるスムーズな移動と快適な滞在を実現するアプリケーションを、広く募集しています。

なお、東京公共交通オープンデータチャレンジで提供されるデータの配信技術には、uIDアーキテクチャが採用されています。本コンテストの詳細は、以下のページをご参照ください。

第4回東京公共交通オープンデータチャレンジ
https://tokyochallenge.odpt.org/

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1月21日(火)-22日(水)【実習】μT-Kernel入門 (協力:富士通コンピュータテクノロジーズ)受付中

トロンフォーラムでは、文部科学省「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成(enPiT)」enPiT-Pro「ICT ベースの社会形成のための文理融合の ICT 教育」との共同主催で、2019年1月21日(火)から22日(水)に東京大学本郷キャンパスのダイワユビキタス学術研究館で、【実習】μT-Kernel入門(協力:富士通コンピュータテクノロジーズ)を開催します。

このセミナーでは、小規模組込み機器向けリアルタイムOS「μT-Kernel」の概要と基本機能の解説、およびリアルタイムOSのプログラミングスタイルを理解するためのμT-Kernelを使ったプログラミング演習を行います。実際のスタータキットでプログラムの動作を確認しながら、μT-Kernelの主要機能が習得できます。

トロンフォーラムの会員の方には無料参加枠があります。また非会員の方も、有料で参加していただくことができます。現在、受講者を募集中です。参加をご希望の方は、トロンフォーラム事務局までお申し込みください。

1月21日(火)-22日(水)【実習】μT-Kernel入門(協力:富士通コンピュータテクノロジーズ)
https://www.tron.org/ja/2019/12/post-5030/ 

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1月31日(金)uIDセミナー受付中

トロンフォーラムでは、2020年1月31日(金)に開催するuIDセミナーの受講申込を受け付けています。

本セミナーは、ユビキタスID(uID)アーキテクチャの基礎や業務システムへのuIDアーキテクチャの導入についてご紹介する「【講座1】「uID基礎セミナー」」と、さまざまなucodeタグに触れていただくとともに、uIDアーキテクチャのエントリーシステムであるucoderを用いて、ucodeの割当、発行、解決、さまざまなタグの利用方法について、実機を用いて実習を行う「【講座2】「uID応用セミナー ucode基本サービスの活用実習」」で構成されます。

トロンフォーラムの会員の方は、会員種別に応じて無料受講枠があります。また非会員の方も有償で受講いただくことができます。【講座1】および【講座2】の両方またはいずれかを受講していただくことができます。(両方またはいずれかを受講される場合でも、有料受講時の費用は変わりません。)本セミナーの詳細につきましては、以下のページをご参照ください。

2020年1月31日(金)uIDセミナー
https://www.tron.org/ja/2019/12/post-5022/

uIDセミナーphoto

パーソナルメディアが「μT-Kernel 3.0」の教材セットを新発売

トロンフォーラム幹事会員のパーソナルメディアは、IEEE(米国電気電子学会)の定める世界標準仕様「IEEE 2050-2018」に準拠した最新版のリアルタイムOS「μT-Kernel 3.0」で組込み機器の開発をマスターできる実習付き教材セットを商品化し、「μT-Kernel 3.0教育&実習パッケージ」の名称で、2020年3月1日より出荷開始する予定であることを発表しました。

IoT等の先端ITに関わる人材については、2030年に54.5万人もの不足を生じる可能性が指摘されるなか、IoTの応用システムやIoT関連機器の開発にも対応し、リアルタイムOSの基礎から実践的な組込みシステムまで、IoTエッジノードの開発に必要な知識を体系的に修得できるようにしている、とのことです。本製品の詳細につきましては、以下をご参照ください。

パーソナルメディア
http://www.t-engine4u.com/press/mtk3_edukit.html

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1月16日及び17日にパーソナルメディアがT-Kernelセミナーを開催

トロンフォーラム幹事会員のパーソナルメディアでは、T-Kernelを使った開発について、より詳しく学びたい方を対象に、有料の実習セミナーを実施しています。1月16日(木)に実施する「T-Kernel導入実習セミナー」では、T-Kernelの基礎から、ソフトウェア部品の組合せ、メモリモデル、デバッグ手法などを説明したうえで、プロセスベースおよびT-Kernelベースのソフト開発からデバッグまでの流れをご体験いただきます。

1月17日(金)に実施する「ドライバ開発実習セミナー」では、T-Kernelのデバイスドライバの開発を担当されるT-Kernel経験者を対象に、ドライバの内部構造およびインタフェースなどを説明します。また実習を通じて、ドライバの開発の流れを一通りご体験いただきます。各セミナーの詳細につきましては、以下の公式webサイトをご参照ください。

パーソナルメディア セミナー紹介ページ
http://www.t-engine4u.com/seminar/index.html

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ルネサスが1月と3月のリアルタイムOS入門セミナーの受講申込を受付中

トロンフォーラム幹事会員のルネサスエレクトロニクスでは、マイコン応用システムにリアルタイムOSを導入するための基礎知識が習得できる「リアルタイムOS入門コース」を開催しています。μITRON4.0仕様に準拠したOSをRX62Nトレーニングボードで動作させる実習形式の3日間コースのセミナーで、イベントの通知や時間要件にあわせた並行処理を実現するマルチタスクプログラミング技術についてわかりやすく解説します。

リアルタイムOSをご利用される方、導入をご検討されている方が対象で、受講にあたってマイコンの基礎知識とC言語の基礎知識が必要です。

現在、1月21日から23日の東京・豊洲会場、3月3日から3月5日の新大阪会場、3月9日から3月11日の東京・豊洲会場の各会場の受講申し込みを受付中です。費用はお一人様49,500円(税込)です。本セミナーの詳細及び受講のお申し込みは以下の公式webサイトをご参照ください。

■ルネサス半導体セミナー リアルタイムOS入門コース
https://www.renesas.com/jp/ja/support/training/seminar/individual/
basic-technology-seminar/rtos-intro-course.html

旧・Interpeak社製IP Stackの脆弱性「URGENT/11」に関するご注意

トロンフォーラムでは、旧・Interpeak社製IP Stackの脆弱性「URGENT/11」に限らず、T-Kernel、μT-Kernel及びT2EXといったTRON系OSやミドルウェア、さらにITRON仕様準拠OS及びその他の組込みRTOSやミドルウェアに関する脆弱性情報を告知し、集約するため「脆弱性情報特設サイト」を設置しました。

特にITRONにつきましては、トロンフォーラムから提供しているのは仕様だけであり、インプリメントは各社によってさまざまです。このため、トロンフォーラムがそれらの各社によって実装されたITRON仕様準拠OSに対する責任を持つわけではございませんが、それらのOSを利用されている方の利便性向上のため、このサイトをご用意いたしました。

なお、トロンフォーラムから提供しております T-Kernel 2.0 Extension(T2EX) に含まれるTCP/IPプロトコルスタックは NetBSD の実装をもととしており、URGENT/11 の対象となる旧・Interpeak社製IP Stackとは関係ありません。

しかしながら、各種サードパーティから提供されるTCP/IPプロトコルスタックを利用されている場合は、TRON系OSの利用の有無にかかわらず、最新のセキュリティ情報をご確認のうえ適切にご対応いただくことをご案内いたします。

また、TRON系OSに関するサードパーティ製品につきまして、URGENT/11やその他の脆弱性に関する情報がありましたら、ぜひトロンフォーラム事務局まで、情報提供をいただきますようお願い申し上げます。

■トロンフォーラム「脆弱性情報特設サイト」
https://www.tron.org/ja/vulnerability/

■米国 Department of Homeland Security
Cybersecurity and Infrastructure Security Agency (CISA)による「URGENT/11」に関する告知
ICS Advisory (ICSA-19-274-01)
Interpeak IPnet TCP/IP Stack
https://www.us-cert.gov/ics/advisories/icsa-19-274-01

■米国ARMIS社による「URGENT/11」に関する告知
https://www.armis.com/urgent11/

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T-Kernel/ITRONの採用事例募集中

トロンフォーラムでは、T-KernelやITRONの採用事例を募集中です。T-KernelやITRONを採用された事例をご紹介いただける場合は、入力フォームにご記入ください。T-KernelやITRONは、航空宇宙分野から産業機器、カーナビ、多機能プリンタ、電子楽器、デジタルカメラなど、さまざまな分野で多くの採用事例があります。

お送りいただいた採用事例は、トロンフォーラムのwebサイトやメールマガジンでご紹介させていただいたり、坂村会長の講演やTRONプロジェクトの技術情報誌「TRONWARE」などでご紹介させていただいたり、トロンフォーラムが主催または共催、協賛するイベント等でご紹介させていただく予定です。

是非、この機会に採用事例をご紹介ください。詳しくは以下のページにある入力フォームをご参照ください。
https://www.tron.org/ja/tron-project/provide-the-use-case/

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