トロンフォーラム

TRONWARE VOL.219「AI時代の組込み開発最前線」

坂村会長が編集長を務めるTRON&オープン技術情報マガジンのTRONWAREは、最新号となるVOL.219を6月15日(月)に発売します。今回のTRONWAREの特集は、「AI時代の組込み開発最前線」です。

最近のAIは「Reasoning(推論)モデル」とよばれる新世代に移行しています。従来のLLM(大規模言語モデル)が大量のテキストデータから学習した「次にくる確率の高い単語」を連鎖的に出力するのに比べ、Reasoningモデルは回答を出力する前に内部で「思考の連鎖」を展開して、問題を段階的に分解しながら論理的に推論する能力を備えています。このような進化により、すでに汎用OSを用いた情報処理分野のプログラミングではAIは必須の道具になっています。

一方、組込みシステムの開発ではAIの活用がなかなか進んでいません。最大の理由は「学習データの不足」にあります。大量の良質なコードや設計書が不足していたり、使用するマイコンのアーキテクチャが会社や製品ごとに異なっていたりするなど、学習データがOSやハードに依存しているため細分化されてしまう、といった問題点があります。また、大量のソースコードのリポジトリであるGitHubにも、組込みシステム用の実用的なコードはほとんど公開されていません。さらに組込みシステムはソフトウェアだけで完結するわけではなく、現実世界で動作するハードウェアとの組み合わせによって正常かどうかを判定することになる点も情報システム系でのAIの利用と大きく異なる点です。

トロンフォーラムではこうした組込みシステムの開発特有の、AIの利用に際しての問題点に正面から取り組むため、「AI開発WG」を立ち上げました。このAI開発WGでは、TRONベースの組込みシステム開発に特化したSkillsパッケージを開発してそのメンテナンスを続け、WGに参加する会員企業に提供して、各社が持つAIエージェントに組み込んで使えるようにします。

特集記事ではAI開発WGへの参加方法やWGの知見の共有方法などについても紹介しています。組込みシステムの開発にAIを適用させるトロンフォーラムの新しい取組について、是非、そのエコシステムへ参加するきっかけとしてご覧ください。

この他、多数の公共交通事業者が参加し、静的データや動的データを公共交通オープンデータセンター経由で配信する取組を進めている公共交通オープンデータ協議会について、さまざまな事例を含めてご紹介したウェビナーの様子をご紹介した「ODPTウェビナー2026~公共交通オープンデータ協議会のいま~」や、坂村会長が東洋大学の入学式で新入生に語った祝辞の全文を掲載しました。さらに組込みシステムの脆弱性情報についてご紹介するTIVAC Informationでは、米Anthropic社が開発したClaude Mythosが組込みシステムの分野に及ぼす影響について考察しています。

TRONWARE VOL.219の詳細は、以下をご参照ください。

TRONWARE VOL.219
https://www.personal-media.co.jp/book/tw/tw_index/396.html

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