
トロンフォーラムが毎月お送りするメールマガジンの2026年6月号をお送りします。
坂村会長が編集長を務めるTRON&オープン技術情報マガジンのTRONWAREは、最新号となるVOL.219を6月15日(月)に発売します。今回のTRONWAREの特集は、「AI時代の組込み開発最前線」です。
最近のAIは「Reasoning(推論)モデル」とよばれる新世代に移行しています。従来のLLM(大規模言語モデル)が大量のテキストデータから学習した「次にくる確率の高い単語」を連鎖的に出力するのに比べ、Reasoningモデルは回答を出力する前に内部で「思考の連鎖」を展開して、問題を段階的に分解しながら論理的に推論する能力を備えています。このような進化により、すでに汎用OSを用いた情報処理分野のプログラミングではAIは必須の道具になっています。
一方、組込みシステムの開発ではAIの活用がなかなか進んでいません。最大の理由は「学習データの不足」にあります。大量の良質なコードや設計書が不足していたり、使用するマイコンのアーキテクチャが会社や製品ごとに異なっていたりするなど、学習データがOSやハードに依存しているため細分化されてしまう、といった問題点があります。また、大量のソースコードのリポジトリであるGitHubにも、組込みシステム用の実用的なコードはほとんど公開されていません。さらに組込みシステムはソフトウェアだけで完結するわけではなく、現実世界で動作するハードウェアとの組み合わせによって正常かどうかを判定することになる点も情報システム系でのAIの利用と大きく異なる点です。
トロンフォーラムではこうした組込みシステムの開発特有の、AIの利用に際しての問題点に正面から取り組むため、「AI開発WG」を立ち上げました。このAI開発WGでは、TRONベースの組込みシステム開発に特化したSkillsパッケージを開発してそのメンテナンスを続け、WGに参加する会員企業に提供して、各社が持つAIエージェントに組み込んで使えるようにします。
特集記事ではAI開発WGへの参加方法やWGの知見の共有方法などについても紹介しています。組込みシステムの開発にAIを適用させるトロンフォーラムの新しい取組について、是非、そのエコシステムへ参加するきっかけとしてご覧ください。
この他、多数の公共交通事業者が参加し、静的データや動的データを公共交通オープンデータセンター経由で配信する取組を進めている公共交通オープンデータ協議会について、さまざまな事例を含めてご紹介したウェビナーの様子をご紹介した「ODPTウェビナー2026~公共交通オープンデータ協議会のいま~」や、坂村会長が東洋大学の入学式で新入生に語った祝辞の全文を掲載しました。さらに組込みシステムの脆弱性情報についてご紹介するTIVAC Informationでは、米Anthropic社が開発したClaude Mythosが組込みシステムの分野に及ぼす影響について考察しています。
TRONWARE VOL.219の詳細は、以下をご参照ください。
TRONWARE VOL.219
https://www.personal-media.co.jp/book/tw/tw_index/396.html
約60%のシェアを達成。27回連続の利用実績トップ
トロンフォーラムは「2025年度組込みシステムにおけるリアルタイムOSの利用動向に関するアンケート調査報告書」を、対象となる法人会員の会員専用ページで公開しました。
2025年11月19日から21日にパシフィコ横浜で行われたEdgeTech+ 2025の会場および本アンケートのための特設webサイトにおいて実施したアンケートの結果を集計したもので、「組込みシステムに組み込んだOSのAPI」という項目で、T-Kernel 仕様API(μT-Kernel 仕様 API等を含む) とITRON仕様APIの合計で約60%のトップシェアを達成しました。これにより、調査開始以来27回連続でTRON系OSが利用実績トップのOSとなりました。
本調査報告書の詳細につきましては、トロンフォーラムの会員の方は会員専用ページにログインしてご確認ください。

2026年7月9日(木)、10日(金)にパーソナルメディアがセミナーを実施。T-Kernelを利用した組込みソフトウェア開発の基礎を学べる。
トロンフォーラム幹事会員のパーソナルメディア株式会社では、T-Kernelを使った開発について、より詳しく学びたい方を対象に、有料の実習セミナーを実施しています。
2026年7月9日(木)に実施する「T-Kernel導入実習セミナー」では、T-Kernelの基礎から、ソフトウェア部品の組合せ、メモリモデル、デバッグ手法などを説明したうえで、プロセスベースおよびT-Kernelベースのソフト開発からデバッグまでの流れをご体験いただきます。
また、2026年7月10日(金)に実施する「T-Kernelドライバ開発実習セミナー」では、T-Kernelのデバイスドライバの開発を担当されるT-Kernel経験者を対象に、ドライバの内部構造およびインタフェースなどを説明します。実習を通じて、ドライバの開発の流れを一通りご体験いただきます。各セミナーの詳細につきましては、以下の公式webサイトをご参照ください。
■パーソナルメディア セミナー紹介ページ
http://www.t-engine4u.com/seminar/index.html

板倉陽一郎弁護士を講師にお迎えして6月15日(月)に開催
この度、一般社団法人IoTサービス連携協議会(AIoTS)の主催、坂村AIoTS理事長が会長を務めるトロンフォーラムの共催で、日本で開発したIoT製品(機器本体からクラウド・アプリまで含む)の海外展開時に直面する法規制を、技術者が設計・開発段階から理解できるようにするウェビナーシリーズを開催させていただく運びとなりました。
第1回はEU・英国・中国・米国の主要規制を横断的に俯瞰する概論回として、ひかり総合法律事務所 パートナー弁護士 板倉陽一郎様を講師にお招きし、具体的な事例を交えながら以下のとおり解説いただきます。
開催日時:2026年6月15日(月) 14:00-15:30
形式:オンライン(Zoom)
時間:90分
講師:ひかり総合法律事務所 パートナー弁護士 板倉陽一郎 様
主催:一般社団法人IoTサービス連携協議会(AIoTS)
共催:トロンフォーラム
参加費:無料(一般社団法人IoTサービス連携協議会の会員とトロンフォーラムの幹事/A/i/B/e及び学術会員が対象です)
参加をご希望される方は以下のページにアクセスしていただいて、必要事項をご記入のうえお申し込みください。
https://forms.gle/XN7rA5Lae6YoZA9t5
開催までにZoomのURLをお送りします。

賞金総額500万円 作品の提出締切は9月30日(水)まで。
世界標準であるTRONのリアルタイムOS「μT-Kernel 3.0」と各社の最新マイコンを活用したアプリケーション、ミドルウェア、開発環境、そしてツールなど、各分野のプログラムを募集する「TRONプログラミングコンテスト2026」。リアルタイム性、省電力、小フットプリントといったリアルタイムOSの特性を引き出す技術や、新しい技術を活用した開発環境やツールを競います。今回のテーマも「TRON x AI AIの活用」です。指定された開発用ボードをご自身で調達していただくことで、このコンテストに参加することができます。AI技術を取り入れた革新的な作品のご応募をお待ちしています。
■「TRONプログラミングコンテスト2026」開催概要
https://www.tron.org/ja/programming_contest-2026/

6月16日(火)にパーソナルメディア、6月18日(木)にSTマイクロエレクトロニクス、6月24日(水)にルネサス エレクトロニクスが登壇
「TRONプログラミングコンテスト2026」に特別協力をいただいているSTマイクロエレクトロニクス、ルネサス エレクトロニクス、協力をいただいているパーソナルメディアの各社によるµT-Kernel 3.0や対象マイコンボードの開発環境、AI開発環境を説明するウェビナーを開催いたします。各セミナーとも参加は無料です。TRONプログラミングコンテスト2026に参加される方やμT-Kernel 3.0にご興味のある方、各社がコンテストに提供するマイコンや開発環境に興味のある方は是非、ご聴講ください。
ただいま以下のサイトで参加申込を受け付けています。参加申込をいただいた方には聴講用のURLを後日お送りします。
https://www.tron.org/ja/programming_contest-2026/

VLED(ブイレッド)の自治体GX事例紹介: 清掃工場由来の高品質CO₂利活用で世界初のISCCプラス認証を取得。本事業で累積70億円超の直接投資を呼び込み、雇用・地産地消エネルギーの創出を実現。
坂村会長が理事長を務める一般社団法人デジタル地方創生推進機構(VLED)は、トロンフォーラムのエコシステムを構成するリエゾン会員で、地方公共団体によるDX(Digital Transformation)、GX(Green Transformation)の推進をめざす社団法人です。その活動の一環で、各自治体のDX/GX事例をインタビュー記事でご紹介しています。
今回ご紹介するのは、かつて迷惑施設とみなされていた佐賀市清掃工場が、世界が注目するGX拠点となった事例で、清掃工場から排出されるCO₂を利活用した佐賀市の取り組みです。
清掃工場由来のCO₂は、なんと、炭酸水にすれば飲めるほどの純度を誇ります。そして、農業やバイオ分野関連企業に清掃工場周辺で利活用されています。この直接投資は70超億円に及び、最終的に市民にもその恩恵は還元されるという、資源と経済の循環を同時に実現しました。
また、この清掃工場由来のCO₂は世界初で国際的にサステイナブルなCO₂と認められ、COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)でも度々紹介されました。この取り組みについて、佐賀市長 坂井 英隆氏そして、実務を通じてこの事業を支えているお二人の職員にお話を伺いました。ぜひご覧ください!
https://www.vled.or.jp/2026/05/28/article_saga/

トロンフォーラムでは、T-KernelやITRONの採用事例を募集中です。T-KernelやITRONを採用された事例をご紹介いただける場合は、入力フォームにご記入ください。T-KernelやITRONは、航空宇宙分野から産業機器、カーナビ、多機能プリンタ、電子楽器、デジタルカメラなど、さまざまな分野で多くの採用事例があります。
お送りいただいた採用事例は、トロンフォーラムのwebサイトやメールマガジンでご紹介させていただいたり、坂村会長の講演やTRONプロジェクトの技術情報誌「TRONWARE」などでご紹介させていただいたり、トロンフォーラムが主催または共催、協賛するイベント等でご紹介させていただく予定です。
是非、この機会に採用事例をご紹介ください。詳しくは以下のページにある入力フォームをご参照ください。
https://www.tron.org/ja/tron-project/provide-the-use-case/


