<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><rss version="2.0"
	xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
	xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
	xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
	xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
	xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
	xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
	>

<channel>
	<title>トロンフォーラム &#187; プロジェクトリーダーから</title>
	<atom:link href="https://www.tron.org/ja/category/pl/feed/" rel="self" type="application/rss+xml" />
	<link>https://www.tron.org/ja</link>
	<description>TRON PROJECT</description>
	<lastBuildDate>Wed, 08 Apr 2026 04:42:29 +0000</lastBuildDate>
	<language>ja</language>
	<sy:updatePeriod>hourly</sy:updatePeriod>
	<sy:updateFrequency>1</sy:updateFrequency>
	<generator>https://wordpress.org/?v=4.1.42</generator>
	<item>
		<title>TRONWAREを振り返る TRONWARE200号によせて</title>
		<link>https://www.tron.org/ja/2023/04/post-6774/</link>
		<comments>https://www.tron.org/ja/2023/04/post-6774/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 17 Apr 2023 07:46:30 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[ando]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[プロジェクトリーダーから]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://www.tron.org/ja/?p=6774</guid>
		<description><![CDATA[<div><img width="800" height="503" src="https://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2023/04/1.jpg" class="attachment-post-thumbnail colorbox-6774  wp-post-image" alt="1" /></div>創刊のねらいTRONWAREは1990年2月に第1号を発刊した。最初の数号は3か月に1回の発刊だったが、すぐに2か月に1号ペースになった。途中で判型を変えるなどのマイナーチェンジもしたが、その後は継続したスタイルで出版してきた。このたび33年かけて200号を迎えることになり、感無量だ。なぜTRONWAREを創刊したかについてはVOL.1にも明確に書いているが、コンピュータがますます複雑化して社会のあらゆるところに入っていったとき、それを...]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<div><img width="800" height="503" src="https://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2023/04/1.jpg" class="attachment-post-thumbnail colorbox-6774  wp-post-image" alt="1" /></div><h3>創刊のねらい</h3><p>TRONWAREは1990年2月に第1号を発刊した。最初の数号は3か月に1回の発刊だったが、すぐに2か月に1号ペースになった。途中で判型を変えるなどのマイナーチェンジもしたが、その後は継続したスタイルで出版してきた。このたび33年かけて200号を迎えることになり、感無量だ。</p><p>なぜTRONWAREを創刊したかについてはVOL.1にも明確に書いているが、コンピュータがますます複雑化して社会のあらゆるところに入っていったとき、それをきちんと使いこなせる人間を育てる必要があるからだ。何かを作って、その情報を出すだけではダメで、その知識を広く啓蒙、教育するということが重要だ。1990年当時はまだインターネットが民間開放されたばかりの時代で、書籍は教育のためのツールとして重要なものだった。TRONの技術を習得してもらうための情報を出すという方針は、今でも変わっていない。最新の情報を伝えるだけでなく、さまざまな講座や学習教材の記事を掲載しているのは、そういった創刊当時の方針を今でも守り続けているからだ。</p><h3>TRONプロジェクト始動</h3><p>TRONプロジェクトは1984年から始まっているが、そのころはまさに高度成長の絶頂期だった。私も創刊当時はまだ30代後半で若かったが、当時の号を改めて読み返してみると、日本が高度に成長しているという勢いを感じる。</p><p>もともとTRONプロジェクトは、日本で独自にコンピュータを開発できるようにしようという試みから生まれた。</p><p>日本は第二次世界大戦で大敗を喫した後、しばらくコンピュータや航空機など開発できないものがたくさんあり、その間に世界に大きく差をつけられてしまっていた。そこから何とか挽回して、もう一度トップクラスの国に返り咲こう、そういった進取のムードが国全体にあった。第二次世界大戦後の朝鮮戦争やベトナム戦争など、さまざまな紛争があり、日本は直接関与してはいなかったものの、言わば西側諸国の後方生産基地のようになっていた。経済的にはある程度の余裕も出てきて、それを新たな研究開発費に投入し、さらに発展させようとしていた時代であった。</p><p>コンピュータの時代的な観点でいうと、半導体が1980年代の初めから進歩し始め、マイクロプロセッサの時代に突入する――それまでのディスクリート（ダイオードやトランジスタなど、単機能の個別半導体で構成された電子回路）で作られていたコンピュータが集積回路によるマイコンベースに変わっていくという時期だ。アメリカにはすでにマイクロプロセッサがあって、32ビットマイクロプロセッサが出始めており、インテルやモトローラが躍進していた。</p><p>TRONは日本独自のインフラや標準化を進めるためのプロジェクトとして、当時の日本電子工業振興協会という日本の業界団体のバックアップを得て、1988年に「トロン協会」という社団法人を作り、活動を始め、初代会長に富士通の山本卓眞社長に就任いただいた。実は、その前の1986年には日立製作所の金原和夫取締役に会長をお願いし、トロン協会の前身にあたる「TRON協議会」を発足し、その年には第1回TRONプロジェクトシンポジウムも開催している。そのような活動の甲斐あって参加企業が増え、まさに日本のコンピュータ関係の企業、全メーカーが参画する巨大な民間プロジェクトになった。</p><p>重要なことは、これは国策ではなく、民間で自らお金を出しあって立ち上げたプロジェクトだったということだ。TRONプロジェクトは当時の通商産業省や日本政府が多額のお金を出して始動したプロジェクトと勘違いしている人がいるが、それは誤解である。そもそも国のプロジェクトではなかったということが大きな特徴なのだ。</p><h3>オープンアーキテクチャの精神</h3><p>創刊号をはじめ初期には32ビットマイクロプロセッサの特集が多く組まれているが、TRONプロジェクトはもともと組込み型のリアルタイムOSを作るところから始まった。ITRONというリアルタイムOSが産業界で実績を上げ始めていたため、そのITRONが効率よく動くチップを作ったほうがよいということで、チップ開発のプロジェクトも誕生した。当然だがチップのプロジェクトは多額の費用がかかり、チップ単体で販売するのはマーケティング面からも難しかったので、アプリケーションの実績があるITRONがそのチップの上で動くということが重要だった。</p><p>TRONWAREの初期から盛んに特集されているが、TRONプロジェクトは当初からオープンアーキテクチャという考え方で、外国の人たちにも積極的に参加してもらっていた。オープンアーキテクチャを実現するために、TRONチップにしてもISP（Instruction Set Processor）レベルのアーキテクチャをしっかり押さえることによって、インプリメントは各社自由にするという方式を取った。これは実は今ARMがやっているのと同じやり方である。TRONははるか昔から、そうした方法でマイクロプロセッサの開発をずっと進めてきた。残念ながらTRONチップは広がらなかったのだが、その理由の一つに日米貿易摩擦などの政治的な問題が起こってしまったときに、日本政府がこの民間プロジェクトを守ろうとしなかったことがある。TRONは国策プロジェクトではないが──というか、なかったからなのか、国が動かなかったことには、ARMの元となったプロジェクトを英国政府が守ったのと比べると、今も忸怩たる思いがある。</p><p>1990年ごろには、日本にも半導体の売上だけで1兆円弱から数千億円の上のほうという会社がたくさんあった。しかし今は日本の半導体会社はほとんどなくなってしまい、パソコンや携帯電話を作っている会社もほとんどなくなってしまった。時代の流れとはいえ、日本はとても電子立国とは言えない状態になってしまったのは、残念なことである。</p><h3>未来を見据えた幅広いテーマ</h3><p>TRONWAREの200号を振り返ってみると、創刊号のマイクロプロセッサ特集に続き、ITRONがVOL.3、BTRONがVOL.4、μITRONはVOL.5で登場する。特集ではないもののCTRONもVOL.4で登場している。そのCTRONはNTTの電子交換機の標準OSになり、さらに電話交換がIPベースになるまで日本だけではなく世界中の電子交換機でも使われた。</p><p>私は、コンピュータが未来の生活や社会にどういう影響を与えるのかをずっと考えてきた。あらゆるものにコンピュータが使われる時代に向けて、日本の産業力を強化するためには標準化を進める必要があることを訴えてきた。1993年ごろには、未来オフィスや未来の住宅など、現在のインテリジェントビルやオフィスロボットにつながる構想を取り上げている。私が東京大学総合研究博物館に所属していたこともあり、デジタルミュージアムという文化財のデジタルアーカイブの研究にも力を入れた。教育にも力を入れており、日本語をきちんと扱えるコンピュータを作るために多漢字・多文字対応のコード体系づくりにも取り組んだ。</p><p>組込みシステムに関してはT-Engineプロジェクトがスタートし、今もT-Kernelの開発は継続している。ITRON系OSは組込みOSとしての安定性が評価され、「はやぶさ」などの人工衛星をはじめJAXAの宇宙開発事業で多く採用されるようになった。一方で、ユビキタス・コンピューティング時代を見据えて「モノの識別」が重要になるだろうということで、ucodeとユビキタスID技術の開発と普及も進めてきた。食品トレーサビリティや自律移動支援プロジェクトでは、携帯端末での電子タグの読み取りと情報表示、ルート案内、音声ガイドなどの実証実験が繰り返された。これらは今やスマートフォンを使って誰もが当たり前に利用できるようになっている。</p><p>2010年代以降はコンピュータの進化やインターネットの発展と連動して、TRONプロジェクトはAPI連携やオープンデータなど、現在の情報処理に欠かせない基盤にシフトしている。</p><p><img class="aligncenter size-full wp-image-6777 colorbox-6774" src="https://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2023/04/2.jpg" alt="2" width="800" height="503" /></p><h3>海外との連携</h3><p>初期のTRONプロジェクトは、今までにないものを作ろうという意欲、イノベーションの気風、新しいものをここから生み出すという意識が非常に強かった。まだスマートフォンというものがなかった時代に、電話とコンピュータが融合したらどうなるのかということに関しても、今でいうスマートフォンの原型となるようなさまざまなアイデアを出していた。</p><p>たとえばユビキタス・コミュニケータ（UC）を開発してアジア地区へ展開した。中国、台湾、インド、シンガポールなどの東南アジア、韓国などへも盛んに行って、そうした地域の産業を増強させるためにTRONを伝道した。</p><p>TRONWARE創刊からちょうど10年が経った2000年ごろは、中国に何度も足を運んでいた。このころの中国は今と違って国を開いて成長しようとしていた。また、韓国からたくさんの留学生を研究所で引き受けていた時期でもあった。</p><p>TRONプロジェクトのオープンアーキテクチャという考え方は組込み分野では画期的だったので、IEEEからは高く評価してもらっていた。TRONシンポジウムはIEEEの協力のもとで早くから国際会議となった。さらにIEEE Computer Society PressからTRONの仕様書が発行されたり、TRON Symposiumで発表された論文がIEEEのXploreに掲載されたりするなど、多くの支援を受けている。また、プロジェクト初期には、Springer-Verlagというヨーロッパの出版社からもTRONプロジェクトの技術書を数多く出版した。</p><p>TRONが世界のいろいろなものに影響を与えてきたのは事実である。「なぜUCが今iPhoneやAndroidのようになっていないのか」と言われるが、TRONは研究プロジェクトであり、アイデアはかなり前から出していた。TRONプロジェクトの論文や仕様書を英語に翻訳して情報を出していたので、海外でまったく見られていなかったいうことはない。アメリカをはじめとして世界中のいろいろな学会で話したときに、「Kenがこういうことをやっていたのはみんな知っている」と言ってくれた人もいた。</p><p>2023年に、IEEE Consumer Technology Society からIEEE Masaru Ibuka Consumer Technology Awardを頂いた。コンシューマーエレクトロニクスの世界に長年影響を与えたことが受賞の大きな理由の一つだという。この受賞は、TRONプロジェクトがオープンアーキテクチャを進め、世界に大きな影響を与えてきたということのエビデンスとなるだろう。</p><h3>次の10年へ</h3><p>創刊30周年のVOL.180では「VOL.200が出る3年半後には、日常生活、社会生活にTRONプロジェクトが当初描いていたHFDS（Highly Functionally Distributed System：超機能分散システム）が社会を支えているだろう」と予測していた。</p><p>TRONの組込みOSはIEEE国際標準「IEEE 2050-2018」となった。さらに最新のT-KernelやμT-Kernelのソースコードや開発環境はGitHubから全世界に公開されている。IoTを実装するための、未来の住環境やオフィス環境を支える「ハウジングOS」や「ビルOS」といった情報基盤の構築も進んでいる。歩行者移動支援のためのプロジェクトは、自動走行ロボットにも応用されつつある。3年半前の予測に沿ってTRONは着実に前進してきたといえる。</p><p>光による革新的技術であるIOWN（Innovative Optical and Wireless Network）構想を実現するためにIOWN Global Forumという国際的な団体とトロンフォーラムとの連携が始まろうとしている。さらに、昨今破竹の勢いで進化を続けているAIのテクノロジーへの取り組みも欠かせない。これからのTRONプロジェクトにも引き続き注目していただきたい。</p><p>TRONWAREでは、これからも常に国内外の動向に目を向け、新しい技術や応用に関する有益な情報、学習教材をいち早く提供していきたい。ぜひ今後ともご愛読いただければ幸いである。</p><p style="text-align: right;">坂村 健</p><p style="text-align: center;"><img class="aligncenter size-full wp-image-6778 colorbox-6774" src="https://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2023/04/3.jpg" alt="3" width="800" height="1097" /></p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://www.tron.org/ja/2023/04/post-6774/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>TRONWARE VOL.199</title>
		<link>https://www.tron.org/ja/2023/02/tronware-vol-199/</link>
		<comments>https://www.tron.org/ja/2023/02/tronware-vol-199/#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 15 Feb 2023 01:57:37 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[ando]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[プロジェクトリーダーから]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://www.tron.org/ja/?p=6686</guid>
		<description><![CDATA[2023年2月15日発売のTRONWARE VOL.199は2022 TRON Symposium―TRONSHOW―の総まとめ号となっている。未だコロナ禍が落ち着かない状況ではあるが、おかげさまで2022年12月にはTRONSHOWをリアルとオンラインのハイブリッドで開催することができた。会場には多くの方に来場していただき、またオンラインでもたくさんの方に配信を見ていただき、とても感謝している。今回のテーマは「ネクスト・インフラ」。N...]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>2023年2月15日発売のTRONWARE VOL.199は2022 TRON Symposium―TRONSHOW―の総まとめ号となっている。未だコロナ禍が落ち着かない状況ではあるが、おかげさまで2022年12月にはTRONSHOWをリアルとオンラインのハイブリッドで開催することができた。会場には多くの方に来場していただき、またオンラインでもたくさんの方に配信を見ていただき、とても感謝している。</p><p>今回のテーマは「ネクスト・インフラ」。NTTを中心として設立された国際フォーラム「IOWN Global Forum」にも協力してもらい、光関連技術を活用して低消費電力、大容量、低遅延を実現する次世代のネットワーク構想「IOWN」（アイオン：Innovative Optical and Wireless Network）について大きく取り上げた。2023年3月からは、まず200分の1のレイテンシ（遅延）を達成し大容量データを低遅延で伝送できる「IOWN1.0」の商用サービスが開始される。こうした技術は遠隔手術やeスポーツなど、さまざまな場面での応用が期待されている。</p><p><img class="aligncenter size-full wp-image-6687 colorbox-6686" src="https://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2023/02/1991.jpg" alt="199" width="600" height="298" /></p><p>また、公共交通オープンデータ協議会（ODPT）は、NPO「MobilityData」と戦略的パートナーシップのMOUを締結することとなり、TRONSHOW会場にて調印式を行った。MobilityDataは公共交通データフォーマットの標準化に取り組んでいる国際的な団体であり、GTFSやGBFSなどのデータフォーマットの標準化を行っている。Googleもそのデータを標準で採用しているなど、影響力の大きい団体だ。近年のODPTの活動は東京近郊にとどまらず全国に広がり始めており、地方の活性化にもつながっている。MobilityDataとの連携によって、ODPTが提供する公共交通のデータがさらに広く活用されることになるだろう。</p><p>今回のTRONSHOWでは、私が最近進めている重要なプロジェクトについて、すべてセッションを設けることができた。特集では講演やディスカッションの様子を詳しく紹介しているので、シンポジウムに参加できなかった方もぜひTRONWARE VOL.199をご一読いただきたい。</p><p style="text-align: center;">* * *</p><p>2023年1月6日に、私が受賞した2023 IEEE Masaru Ibuka Consumer Technology Award（参考訳「IEEE 井深大コンシューマー・テクノロジー賞」）の授賞式が米国で行われた。残念ながら授賞式にはオンラインでの参加となったが、TRONプロジェクトを通じてリアルタイムOSの仕様、実装を無料で公開してきた活動に対してこうした賞をいただけたことは誠に光栄なことである。長年TRONプロジェクトを支援してくださっている皆様には、この場を借りてあらためて感謝の意を表したい。</p><p style="text-align: right;">坂村 健</p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://www.tron.org/ja/2023/02/tronware-vol-199/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>トロンフォーラム発足にあたって</title>
		<link>https://www.tron.org/ja/2015/04/post-6683/</link>
		<comments>https://www.tron.org/ja/2015/04/post-6683/#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 01 Apr 2015 09:21:48 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[ando]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[プロジェクトリーダーから]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://www.tron.org/ja/?p=6683</guid>
		<description><![CDATA[坂村 健（トロンフォーラム会長）80年代初頭から“The Real-time Operating System Nucleus”というオープンでフリーなリアルタイムのOSの核を開発し、当初はオープンアーキテクチャとして仕様を公開し、しばらくしてからはソースコードまで公開した。これはオープンソースの最初期のソフトウェアと言える。「オープンソース」と言っても、ソフトウェアを開発してただ公開すれば良いというわけではない。まず、開発者以外でもソ...]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><strong style="font-weight: bold !important;">坂村 健（トロンフォーラム会長）</strong></p><p>80年代初頭から“The Real-time Operating System Nucleus”というオープンでフリーなリアルタイムのOSの核を開発し、当初はオープンアーキテクチャとして仕様を公開し、しばらくしてからはソースコードまで公開した。これはオープンソースの最初期のソフトウェアと言える。</p><p>「オープンソース」と言っても、ソフトウェアを開発してただ公開すれば良いというわけではない。まず、開発者以外でもソースコードを理解できるようになっているか――つまり可読性があるかどうかが問題だ。そのためには、ソースコードに対しての外部仕様書はもちろんのこと、中がどうなっているのかを記述した内部仕様書といったドキュメント類が必要となる。そのような体制を整えて、次に配布が問題になる。プロジェクトを始めた当初は、インターネットは学術研究機関以外には公開されておらず、ホビーストの間ではパソコン通信が流行っていた時代であった。コンピュータ関係でも仕様書類はまず紙に印刷して配布するという時代だ。バグが見つかった場合や改善の意見を受け付ける人的窓口も必要。世界に広めようと思ったら、公知のためのシンポジウムや講習会も必要となる。オープンソースソフトウェアとして公開するには、今以上にソフトウェア開発者以外にも手間も時間も人手もかかる。その分お金もかかった時代だ。</p><p>少なくともそのための組織を作らなければならないことはTRONプロジェクトを始めた1984年ごろから気がついていた。技術者だけではダメで事務をやる人も必要。当然事務所もいる。しかし、成果を無償で公開するための組織は当然利益を追求せず非営利なので、投資を集めて起業というわけにもいかない。ということで、電子協と呼ばれていた（社）日本電子工業振興協会がボランティアで、無償でサポートスタッフを出そうという話に1986年になった。これがTRON協議会の始まりとなる。しかし電子協は電子計算機を中心とした日本の電子工業の普及振興のための団体で、いつまでも甘えているわけにはいかない。独立させなければいけないということで、1988年に（社）トロン協会を作った。</p><p>誰でも寄付してくれれば歓迎であったが、当時はクラウドファンディングのような考えもなかった。ソフトウェアの仕様や実装をメンテナンスする費用を出してくれそうなところといったら、日本の場合は電子やコンピュータ関係の大企業に頼むしかない。そこで、そのような企業から有志に集まっていただいた。2012年にお亡くなりになった富士通の山本卓眞社長（当時）がオープンを目指すことに大賛成であるということで、初代の会長になっていただき、東芝、日立製作所、富士通、沖電気工業、日本電気、松下電器産業、三菱電機など日本の主要な電子企業が集まって非営利法人のトロン協会を設立した。</p><p>2000年代になってくるとTRONも国際的に普及し始め、米国、欧州、アジアの企業が寄付をして支援したいという話が出てくる。ところが、当時の日本では非営利法人は、社団法人か財団法人の組織形態にしなければならなかった。非営利でビジネスをしているわけではなくても、寄付金に対する税金などの問題があった。トロン協会は社団法人にしたのだが、当時の法律では、社団法人はどこかの省が管轄するという仕組みになっていた。トロン協会は組込みコンピュータソフトウェアの開発と普及が目的なので、通産省管轄の社団法人となった。管轄省庁はお目付役であり、非営利なのに利益事業を行っていないかなどを監査する。しかし、海外から見れば、完全に独立した非営利団体に対して寄付したいのに、日本政府管轄の団体に対して寄付するのは望ましくないということで、TRONが全世界に広まっていったのとともに、2002年に完全な非営利団体（NPO）であるT-Engineフォーラムを設立した。</p><p>ITRONはAPIこそ統一したが、実装はCPUに最適化するため弱い標準化にとどめたオープンアーキテクチャとしていた。しかし、このころにはCPUの性能が向上したこともあり、実行効率と開発効率のトレードオフポイントがシフトしたため、ミドルウェア流通のために、TRONにより強い標準化を望む声も大きくなってきた。しかし、依然としてレガシーなCPUでのITRONの需要も残っていたため、ラインを2つに分け、弱い標準化のITRONは従来どおりトロン協会で続け、それとは別により高性能なCPUコア向けのシングル・ワン・ソースRTOSとしてT-Kernelのラインを作ることとなった。そちらはT-Engineフォーラムでサポートするという意味でも、組織が併存することは都合が良かった。</p><p>このT-Engineフォーラムには、IBMやマイクロソフトといった企業はもちろんのこと、フィンランドのVTTのような国立研究所にも入会していただき、オープンなリアルタイムOSの活動を今まで続けてきた。</p><p>このような経緯で、トロン協会とT-Engineフォーラムが併存してきたが、二本立てになっているのは良くないということで、2010年にはトロン協会は終止符を打ち解散、T-Engineフォーラム一本でやってきた。そもそも「T-Engineフォーラム」という名称は、トロン協会があった前提で別名称とするために「TRONをエンジンとした開発ボードのフォーラム」ということで決めた名称である。しかし、一本化して5年以上経った現在、IoTやユビキタス・コンピューティングなどTRON本来のターゲットに対する取組みも活発化し、組込みOSとその開発ボードだけやっているわけではなく、「T-Engineフォーラム」という名称自体を見直そうということになった。本来のTRONブランドに戻せるならその方が良いのではないかという意見が、T-Engineフォーラムの会員の中からもたくさん出てきた。</p><p>ということで、2015年4月から「トロンフォーラム」という名称に一本化するという準備を半年ほど前から行い、T-Engineフォーラムのみなさんのコンセンサスも得られた。IoT時代に向けて、オープンソースだけではなくて、オープンデータやオープンAPIなどにも力を入れると、昨年末のTRONシンポジウムで宣言したこともあり、ちょうど良いタイミングでもある。</p><p>では、トロンフォーラムが何をやるのかを整理してみよう。今まで、TRON協議会、トロン協会、T-Engineフォーラムと営々と受け継がれてきたリアルタイムOS核のオープンソース化のさらなる発展と維持管理。具体的にはソースコードの管理、完全なドキュメント化、バグを見つけて修正するメンテナンス、質問・問合せへの回答、セミナーの開催、内容を理解しているかどうか資格試験などについては従来どおり継続する。講習会やシンポジウムを開き、積極的に運用し、インターネットを利用した国際的なプロモーションやTRONSHOWをはじめとした各種展示会に出展し、TRONの普及活動――これらをまず第1に行う。</p><p>2番目に、TRONのRTOSはIoTの重要なキーパーツであり、全体の目標をIoTに定めるということをトロンフォーラムは明確化する。最終的な目標は、ユビキタス・コンピューティング、IoTであるが、今までやってきた活動はそのための重要なキーパーツ整備であるという位置づけを行う。そのために新たな活動として着手したのがオープンデータ。公共交通オープンデータ研究会のような活動を今までも行っていたが、さらに発展させて、TRONなどの組込みノードから集められた大量のセンサーデータをオープンデータと合わせていわゆるビッグデータ解析を行うことにより、現実の世の中つまり現実空間の事象がどうなっているかを状況認識するというアーキテクチャを明確化する。</p><p>IoTとユビキタス・コンピューティングが目指していることには状況認識が重要になる。状況認識をするためには、センサーから来るデータだけでなく、世の中がどうなっているのか、どういう仕組みになっているのか、構造はどうなのかをオープンにされたデータで把握し、さらにセンシングした事象とあわせて解析する必要がある。そのためにオープンデータが重要になってくるのだ。鉄道の動的データをはじめとして公共セクターが持つようなデータをオープンにする仕組みを作る。公共交通に関しては公共交通オープンデータ研究会をやっているが、障碍者の方々が通れるルートを示すバリアフリーマップを作るための情報も、国土交通省や地方自治体のオープンデータを利用している。こちらはTRONイネーブルウェア研究会で進めてきた活動だが、これらをオープンデータという軸で統合し完成させる仕事を行う。</p><p>3番目として、IoTの制御のために、TRONのRTOSなどを使って作られた民生用機器のAPIを積極的に公開してもらう活動を精力的に開始する。トロンフォーラムにオープンAPIグループを作り、TRONなどを使って作られた機器のAPIを整理して公開してもらうという活動により、IoTをさらに発展させていきたいと思っている。</p><p>IoTを支える重要な考え方としてオープンソース、オープンデータ、オープンAPIをトロンフォーラムは積極的に進めていきたい。このようなさらなる活動を4月から開始することにしたので、ここに皆さんにご報告する次第である。</p><div class="su-row"> <div class="su-column su-column-size-1-4"><div class="su-column-inner su-clearfix"> <a href="https://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2015/03/slide01.png"><img class="alignnone size-full wp-image-107 colorbox-6683" src="https://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2015/03/slide01.png" alt="slide01" width="800" height="600" /></a> </div></div> <div class="su-column su-column-size-1-4"><div class="su-column-inner su-clearfix"> <a href="https://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2015/03/slide02.png"><img class="alignnone size-full wp-image-108 colorbox-6683" src="https://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2015/03/slide02.png" alt="slide02" width="800" height="600" /></a> </div></div> <div class="su-column su-column-size-1-4"><div class="su-column-inner su-clearfix"> <a href="https://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2015/03/slide03.png"><img class="alignnone size-full wp-image-109 colorbox-6683" src="https://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2015/03/slide03.png" alt="slide03" width="800" height="600" /></a> </div></div> <div class="su-column su-column-size-1-4"><div class="su-column-inner su-clearfix"> <a href="https://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2015/03/slide04.png"><img class="alignnone size-full wp-image-110 colorbox-6683" src="https://www.tron.org/ja/wp-content/uploads/sites/2/2015/03/slide04.png" alt="slide04" width="800" height="600" /></a> </div></div> </div>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://www.tron.org/ja/2015/04/post-6683/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
	</channel>
</rss>
