TRON PROJECT


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中長期ロードマップ

はじめに

トロンプロジェクトは理想的コンピュータアーキテクチャの構築を目的として1984年東大坂村健博士によって提唱され、1984年トロンプロジェクト発足、1986年TRON協議会を経て1988年社団法人トロン協会が発足し今年で17年目を迎える。
この間ITRON、BTRON、CTRON仕様書を世に出すと共にトロンシンポジウムを筆頭に各種シンポジウム、セミナーを開催、トロンプロジェクトジャーナル等を刊行し、トロンの普及、啓蒙を行ってきた。ITRONについては、日本の組込み分野ではデファクト・スタンダードの地位 を得たといえる。
JTRON、BTRON、CTRON、eTRON、TRON-GUIを含め、21世紀に向け、今後のトロンプロジェクトの取組みについて述べる。

課題認識

CTRONはRTOSとしてNTTの国際標準となり、ITRONも組み込みOSとして日本市場の30〜40%で使われ、ほぼDe facto Standardになったといえる。 
トロンチップもG100〜500の開発生産を通じ参画各社のMPUのベースとなりその間育った幾多のエンジニアを考えると大きな成果 を挙げたといえる。
今後の課題はITRONの一層の普及促進のための環境整備、JTRON、BTRONの普及促進、ネット社会に対応したeTRONの実証にある。
ITRONの一層の普及促進ついては各種セミナーを活発に開催しμITRON4.0仕様も公開した。ただ更なる普及を目指すには2000年アンケートにもみられる如く、
  1. ソフトウェア部品のインタフェースの標準化
  2. 開発環境の改善、ツールの充実

が望まれている。これに対応し開発環境の整備をすすめる必要がある。

中長期ロードマップ

図1
にトロン協会部会再編および中長期ロードマップを示す。再編後は図2に示す通り、3つのグループに集約し、次世代リアルタイム基盤グループは活動の内容が多岐に亘るため、グループの下に実作業を行うワーキンググループを設置する。

再編後の各グループのミッションは下記の通りである。

1.トロン先進技術研究グループ(新設)
セキュアなデータキャリアチップシステム(eTRON)や、次世代ユビキタスコンピューティング環境(HFDS)といった、日本型IT技術やインフラの構築に向けた、先進技術の研究開発、およびそれと関連する動向調査などを行う。

2.次世代リアルタイム基盤グループ(新規、通称:T-Engine グループ)
次世代のリアルタイムシステムを構成するソフトウェアとハードウェアのプラットフォーム(T-Engine, T-Kernel)を確立し、Embedded分野における世界的なイニシアチブの獲得にむけた、あらゆる活動を行う。本グループの活動は多岐にわたるため、その統轄の下に、機動性の高い活動母体として、次のワーキンググループを設置する。

2.1 エンジンWG(「カーネル部会準備会」と対応)
次世代リアルタイムシステムのハードウェア基盤であるT-Engine、その上で動作するソフトウェア基盤であるT-Kernelの標準仕様に基づいたシステムの開発支援活動、実装技術に関する情報交換等を行う。

2.2 ソフトウェア流通WG (「ミドルウェア部会」「HMI部会」と対応)
次世代リアルタイム基盤上で動作するミドルウェアやアプリケーションを、標準パッケージとして流通 させ、その再利用を促進するための方法論の検討、開発支援、及び流通体制の確立を行う。TRON-GUI仕様、T-Kernel上のJTRON仕様に関する活動を含む。

2.3 開発環境WG(「開発環境部会準備会」と対応)
次世代リアルタイム基盤のための標準開発環境に関する検討作業を行う。標準モニタであるT-Monitor、リモートデバッガ、コンパイラ、統合化開発環境等に関する検討を行う。

2.4 バージョンアップWG(「ITRON 部会」と対応)
トロンプロジェクトの成果・資産である既存のリアルタイムOS仕様に関して必要な活動を、その要求が発生した時にオンデマンド的に取り組む。各個別 のプロジェクトの時限は1年以内とし、その中で短期集中的に成果をあげる。今年度のバージョンアップWGの活動は、以下の3つとする。

(1)μITRON4.0仕様の改良
(2)ITRONデバッギングインタフェースの検討
(3)ITRON MMU方式の検討

2.5 教育・普及WG(新設)
次世代リアルタイム基盤全体の教育活動、普及活動を扱う。具体的には、組み込みシステムや開発環境の教科書の発行や、講習会の企画・実施などを手がける。

3.多文字OS応用グループ(「BTRON部会」「多漢字OS応用部会準備会」「HMI部会」と対応)

地域情報システムや、電子ブックシステムといった、BTRON仕様OSの多文字応用を促進する活動を行う。

4.マーケティンググループ(「ITRON部会」の活動の一部、「海外アドホック」と対応)
トロンプロジェクトの活動成果のマーケティング、プロモーション活動全般 を統括することを目的として、主に次の活動を行う。
  • インターネットプロモーションの整備・統括
  • 葉書ニュースやニューズレター、パンフレットといった、出版的広報活動の企画・編集・発行
  • 製品展示会、講演会、講習会といった、イベント的普及活動の企画・実施
  • 海外支部(米国、韓国)の活動統括
  • リアルタイムシステムに関する技術・産業の動向調査と情報交換
今後の進め方

上記に対応し、スピーディに状況変化に対応するため、各グループをプロジェクト推進委員会のもとに一元化し、開発加速、情報の共有化をはかっていく。

図1 トロン協会部会再編/中長期ロードマップ
図2 プロジェクト組織図

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