MP T-Kernelとは
~マルチプロセッサ/マルチコア対応リアルタイムOS~
MP T-Kernelは、マルチプロセッサやマルチコア・プロセッサに対応したT-Kernelです。T-Kernelのリアルタイム性能を継承し、マルチプロセッサ/マルチコア・プロセッサを使用した組込みシステムに最適なリアルタイムOSとして設計されています。
MP T-Kernel仕様書およびソースコード
以下の仕様書、ソースコードがトロンフォーラムにて公開されています。
MP T-Kernelの特徴
~組込みシステムのためのリアルタイムOS~
組込みシステムには、イベントに対する高い応答性と実行時間の予測可能性を持ったリアルタイムOSが必要です。マルチプロセッサのシステムにおいても、これは変わりありません。MP T-Kernelは、組込みシステムで広く使用されているμITRONからの技術を継承した真のリアルタイムOSです。
標準のT-Kernelとの高い互換性
MP T-Kernelは、シングルプロセッサのT-Kernelとの互換性を考慮し、設計されています。従来のシングルプロセッサ上のソフトウェア資産やプログラミングのノウハウが、MP T-Kernelでも有効に活用できます。また、シングルプロセッサからマルチプロセッサまで共用できるソフトウェアの作成も可能です。
さまざまなハードウェアへの対応
組込みシステムは、多種多様です。MP T-Kernelは特定のハードウェアやシステムに依存しないように設計されています。NaviEngineやSH7786など異なったマルチコアプロセッサで動作し、AMP(非対称型MP)やSMP(対称型MP)にもそれぞれAMP T-Kernel、SMP T-Kernelとして対応しています。また、プロセッサ数が増えていく将来を見越して、AMPやSMPの混在モデルにも対応していく予定です。
非対称型マルチプロセッサ(AMP)対応
AMP T-Kernelとは
AMP T-Kernelは、非対称型マルチプロセッサ(AMP:Asymmetric Multiple Processor)に対応したMP T-Kernelです。
AMP T-Kernelの特徴
AMPでは、T-Kernelやアプリケーション・プログラムはそれぞれのプロセッサの上で独立に動作します。AMP T-Kernelが提供するシステムコールにより、アプリケーション・プログラムはプロセッサ間で同期・通信を行うことができます。
AMP T-Kernelの特徴は、シングルプロセッサのソフトウェアとの互換性が高く、ソフト資産やノウハウが有効活用できる点にあります。 プロセッサ間の同期・通信には、従来のT-Kernelの同期・通信機能(セマフォ、イベントフラグ、メッセージバッファなど)をそのまま使用する事ができますので、ソフトウェアの移植も容易です。
AMP T-Kernel対応Standard Extension
AMP T-KernelではシングルプロセッサのT-Kernelと同様に、Standard Extensionを使用することにより、仮想記憶管理、プロセス管理、ファイル管理などの高度なOSの機能を使用することができます。
AMP T-Kernel対応Standard Extensionでは、さらに特定のプロセッサ上のディスクをシステム全体で共有する、ファイルシステム共有管理機能も備えています。
対称型マルチプロセッサ(SMP)対応
SMP T-Kernelとは
SMP T-Kernelは、対称型マルチプロセッサ(SMP:Symmetric Multiple Processor)に対応したMP T-Kernelです。
SMP T-Kernelの特徴
SMPでは、 T-Kernelがそれぞれのプロセッサにプログラムを自動で割り当てます。割当ては負荷に応じて動的に行われるので、複数のプロセッサを効率よく使用することができます。
SMP T-Kernelでは、アプリケーション・プログラムはプロセッサの数を意識する必要はありません。同一のアプリケーション・プログラムを異なったプロセッサ数で動作させることも可能です。
SMP T-Kernel対応Standard Extension
SMP T-KernelではシングルプロセッサのT-Kernelと同様に、Standard Extensionを使用することにより、仮想記憶管理、プロセス管理、ファイル管理などの高度なOSの機能を使用することができます。