
ただ今ご紹介頂きました沖電気の篠塚でございます。庄山会長の後を引継ぎまして、今年度の会長を務めさせて頂くことになりました。どうぞ宜しくお願い致します。就任に当たりまして一言ご挨拶申し上げます。
皆様方ご案内の通りトロン協会は、1988年3月に通産大臣の設立認可を受け、社団法人として発足し、本年で14年目を迎えました。1986年のトロン協議会発足から数えると16年目にあたります。私自身、発足の段階にメンバーとして参画させて頂いた記憶がございます。そんなことを思い合わせますと、トロン協会は、長きにわたって多くの皆様のご活躍に支えられてきた訳でございまして、めでたく21世紀を迎えることが出来ましたこと、心よりお礼を申し上げる次第でございます。さらに今後とも、21世紀のトロン協会の新たな発展のために、さらには情報技術、情報産業の発展に貢献すべく皆様とご一緒させていただけたら有り難いと考えておりますので、是非宜しくお願い致します。
さて、この十数年を振り返りますと、トロン協会は、激動の時代を経て来た訳でありますが、各種トロン仕様の決定を始めとしまして、数々の成果を着実に世の中に出しながら今日に至っております。そして、会員各社におかれましては、各種トロン仕様に基づく製品を生み出しておられ、特にITRON仕様OSを組み込んだ製品につきましては、情報通信機器、家電製品、携帯電話端末など、数え切れない製品がございます。これら全て、これからの21世紀につながる素晴らしい成果であり、皆様方のご努力は大変なものであったと考えております。
21世紀は、いろんなことが世の中で言われておりますが、間違いなく「21世紀は個人が主役となる『個』の時代である」と考えられます。e-Japan重点計画等が発表されており、高度にネットワーク化されたデジタル経済社会が出現してきます。そのような環境の中でいろいろな活動が行われる訳でございますが、これを私自身は「e社会」と呼んでいます。坂村教授流に言えば「電脳社会」でしょうか。坂村教授が「どこでもコンピュータ」環境の実現を提唱されておりますように、人間の身の回りのすべての道具、家具、設備などにコンピュータが入り、それらがお互いに高度にネットワーク化され、協調して、「個人」としての活動空間及び能力を格段に広げられる、そのような時代になると考えております。これらによって、心が通じ合い、安らぎが伝わる、臨場感が伝わるというような、個人の「充足感」が得られるようなネットワーク社会、即ち、ひとり一人が平和で安全な環境のもと、誰もが安心して心豊かな生活を送れる「いい(e)社会」の実現が重要であると考えます。
トロン協会は引き続き、坂村教授のご指導を頂きながら、着実に新たな提案や試みを世界中に発信し、世界に貢献してゆく所存でございます。本年度は、世の中の状況変化にスピーディに対応し、プロジェクトを円滑に推進するために、部会の再編を行い3つの「グループ」に集約させて頂きました。このグループ体制において、ネット社会に対応した「eTRON」など先進技術の研究推進や、多文字OSの応用促進や、次世代リアルタイム基盤の開発環境の整備などを行ってまいります。また、組込みリアルタイムシステムの技術者教育セミナーなどのセミナー事業や、北米地区や韓国におけるトロンの普及活動を推進していく予定でございます。これら活動を通じまして、日本がIT技術で世界に貢献していく、そんなことが出来れば非常に素晴らしいことだと考える次第であります。皆様方のご理解、ご協力、そしてご支援をよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、会員皆様方の益々のご発展を祈念致しまして、会長就任の挨拶とさせて頂きます。